大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和25(れ)1757 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人楢橋渡、同西園寺正雄の上告趣意第一点について。

しかし記録を調べてみると被告人が自首したことは認められないのみならず仮り

に自首があつたとしても自首は刑法四二条の規定によりその刑を減軽するかどうか

を裁判所の自由裁量に委せられているのであるから裁判所が自首減軽をしないとき

にはその判断を示す必要はないのである。従つて原判決には所論のような違法なく

論旨は理由がない。

同第二点について。

原審は被告人はAと「喧嘩を初め憤慨の余り自分の机の抽斗から海軍ナイフ(証

第一号)を取出して之で同人を突き刺し」た事実を認定しているのであつて被告人

の所為は正当防衛又は過剰防衛の観念を容れる余地のないことは右認定事実自体か

ら明らかである、従つて原判決には所論のような違法なく論旨は採るを得ない。

よつて刑訴施行法二条旧刑訴四四六条により主文のとおり判決する。

右は裁判官全員一致の意見である。

検察官 三堀博関与

昭和二六年四月一三日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!